情緒あふれる建築を。
こんにちは。エスプリホームの藤高です。
あるセミナーで、参加した設計、工務店の面々に「有機的建築と無機的建築、あなた方は自身の建築スタイルがどちらであるか即答できますか」と講師が問うた。
住宅は有機的建築であるべきだ。
私はこう思っている。
少年期から青年期にかけ、それまでのアナログな世界が急速にデジタルに移行した時代を生きてそう思う。
音楽メディアはレコードからCDへ、写真もフィルムから撮像素子に変わり、ショッピングは商店からインターネット通販へ、私たちの生活は確実に変化した。
住宅も人間の日常に限りなく近い存在だった土や木を使った日本家屋から変わり、近代住宅は工場生産された新建材を多用し建築される。メリットは多い。工期は短縮でき、職人の経験に影響を受けにくく、カタログやサンプル、ソフトウェアなどで建築主も確認しやすい。
けれども、住宅建築に長年携わってきて、時間が経つほどにしっくりこない。近代建築に違和感を覚えてきた。近所を歩いて、自転車で。遠くに自動車で移動中の街並みも。たまに田舎の方に出向くと何となく安堵感がある。何がそう感じさせるのかと考えたとき、家屋なのだと感じた。
近年、レコードや真空管アンプ、フィルムカメラなどで静かなブームが起こっているという。
それを知らない世代の興味本位であることも多いと思うし、不自由さから離れる人もまた多いだろう。それでもその内の一定数はファンとして残るに違いない。
人間の生活とはそういうものなのだと思う。
利便性や数値上のスペックがいかに優れていても感性にマッチしてないものには愛着が持てない。長く手元に置いておきたいものには必ず情緒がある。
住宅建築もそうあるべきだと思う。
エスプリホームの家づくりは、
漆喰塗りの白壁の外壁、原料は石灰と大理石。
陶器瓦葺きの屋根。
耐震構造の要、耐力面材ですらガーデニングでおなじみの鉱物「バーミキュライト」が主成分。
断熱材はセルロースファイバー、平たく言えば木質繊維。もとは新聞紙。
床には無垢の板、癖は強いがそれさえも愛しく感じる。素足で歩きたい。
建具や水廻りももっとこだわりたいところですが、そこは合理的判断優先で。
もちろん構造や性能、メンテナンス性などへの配慮は言わずもがな。
かつての日本家屋に見た土と木の家を。
自然素材に包まれた落ち着ける情緒豊かな家づくりを。
共感できる建築主さまに価値ある家を。
私たちも楽しんで家づくりを。
今年も数えるほどになってきましたが、
いろいろな出会い体験があり良い一年でありました。
来年も今年以上のいい家づくりを心掛け、さらに良い出会いがありますように。